紡ぐ→綿や繭から繊維を引き出し、よりあわせて糸にする
(BREWアプリ版 旺文社電子辞書)
僕らは、色ん(異論)な物を紡ぎ(吐き)出し、よりあわせ(寄り合わせ)て生きている。
言葉であったり、思考であったり、神経であったり。
あちこちにウジャウジャ居る大人達の罵声や、猛スピードで走り抜ける鉄箱の爆音に耳を塞がれて、紡ぎ出すどころか抉られることだってある。
叫ぼうとも、酸素すら呑めなくて、目の前は真っ赤、まるで池の鯉だ。
それでも人は紡ぐ。忘れられたくなくて、見つけてほしくて、寄り合い(添い)たくて。
僕が誰かの手中に堕ちて、紡がれる者になるくらいなら、せめて堕とすことせず誰かを紡ぎ、内へと納める鞘になりたい。
決して切れずに寄り合う糸が、僕を繋いで内へと還り、次の誰かが紡いでくれたら
紡がれる物はそれだけではない。
けど
それが何でも
いつか繋がる
何処かで寄り合う