蜩の切なげな鳴き声は、
夕暮れの風物詩であるという先入観に基づき、
朝に聴けば憂鬱になると知る。
他種の蝉
まだ鳴きもしない今年の初夏に、
季節をはぐれた蜩が居た。
春過ぎて愛を求める鶯もいる。
明け方、夜中
好きに雷雨が通り過ぎ。
夏の定例は過去の遺物になるのか知らん?
重い雨雲未だに消えない。
こんな狂った季節には
私の体躯が軋み出す。
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うっすら目を開けると、窓からは光が差し込んでいた。
晴れでは無いらしい。青冷たい、鈍い陽光が部屋を白く照らしている。
朝か?
ゆっくり時計を見て、時間を確認する。ベッドから降りながら、タバコをくわえ、火を付ける。
煙は体に染みて、ダルさが抜けていくようだ。
雨音響く窓に向かい、カーテンを開け放つ。恨めしく思いつつ雨模様の外界を一瞥。
ーーー今日はバスかな…
通勤手段の確認は、起きてから必ずする日常の恒例行事だ。僕は職場まで自転車で通勤している。天気が悪ければバスしかない……そんなことを1人愚痴ながら
更に恒例のコーヒーを飲むために、お湯を沸かし始めた。その間に洗顔し、歯を磨く。気分と気温で適当に服を選んで、いそいそと着替えていると、ケトルがけたたましく鳴き出した。
いつも通りの時間配分。マグにインスタントながら気に入りのコーヒーを淹れる。
良い香りだ。
漆黒の液体は数々の香りを発散しながら、僕の喉から胃へと落ちていく。目覚めてから部屋を出るまでの至福の時。
だがしかし、僕は覚醒した思考回路の全力を傾けて、もう一度それを確認した。しなければ、いけないという脅迫にも似た感情…そっとベッドを振り返る。
やっぱりそうだ。
そんな事だろうと思ったよ。否、そうだと分かっていた。
…………寝坊だょ
昨日早く寝たのに…!
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許せ神様、仕事休ませて。
今日の私、マイナス5000点。
最近の体調不良にかこつけて休ませていただきました。
南無~~