私のこの冷たさの意味は
アンタには一生分からないだろう。
飴を与えられ慣れた人間に
鞭はあまりにも過酷なのだろうけど
何を言ってんのさ、私はもともとこういう人間だよ。
そりゃアンタには分からないだろうけどね。何せそれを知らないままだったんだから。
目の前の壁を見なよ。
冷たいだの優しいだの、そんな小さな感情論で、貫通させられるような脆い壁か?
一度突っ込んでみれば気付くさ。脆いのは自分だったとね。
我慢できるところまで?その限界値の設定は何なんだ?
笑わせるなよ、アンタの限界がそう遠くない事くらい、私には分かってる。
甘くて柔らかい飴の味は
アンタに幻想だけを残したんだね
痛くて辛い鞭の痕は
縋り付くだけの余力も許さないのに
それでいいの?
それでいいのか?
冷たさだけしか感じないなら
せめて楽に凍死させてあげる
解氷を待つなら
耐えて受けるがいいさ、私の言葉を。
かつての私がそうしたように。
寂しさだけじゃ
人は死ねねぇから安心しな。
アンタの中は
水飴みたいに甘くてダルいよ。
だから私が
冷やしてあげる。
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