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朔 (櫻 朔夜)
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自己中30%・アルコール15%・思い込み20%・意欲35%,でも人生換算は120%(アホ

※イラストは某絵掲サイトにてQサマの線画に塗り・加筆させて頂いたモノです。
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化学変化の仮定と過程
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 その女は生まれてこのかた、幸福を感じたことが無い。
 そして不幸を感じたことも無い。
 喜怒哀楽さえも殆ど無かった。人間関係に好き嫌いも無かった。

 彼女は失感情症と呼ばれるものに近かったのかもしれない。


 そんな或る女の平坦な人生は、ほんの少しの歯車のズレから狂い出す。

 

 こんなはずじゃなかった



 それは聴こえることの無い小さな、ごく小さな叫び。
 そのサケビはやがてズレた歯車さえも与り知らない程、遠く近く壊れて逝く。







 


 そんな彼女の歯車のズレは、ある日唐突にやってくる。

 ---風を纏うヒト

 それが彼女の前に現れた。
 
 一瞬で目を奪われる。
 他人への初対面での強烈なインパクトはそれが初めてだった。


 彼女は思う。

 ---あれが欲しい。


 

 彼女はそれを手に入れる。
 それはごく簡単に手に入るものだった。




 そして、簡単に壊れるものだった。



 それを知りながら、彼女はそれを手に入れた。




 そのヒトは彼女の思考回路を根底から覆す。
 予想のできないニンゲン、初めての感覚。
 上昇する感情、満たされる心、彼女は幸せだと思った。





 

 けれどそれは
 やはり壊れる運命で。







 彼女はそのヒトとの決定的な違いを知る。
 




 苦しいと思う。
 無駄なこと、自分の信念において意味のないことを全て排除してきた彼女は
 無駄だと思うそのヒトをどうしても排除することができない。







 彼女は自分に命が宿ることを望み
 そのヒトはそれを拒む






 それが何故かも分かっていながら彼女は
 抑制の効かない感情と
 歯止めの利かない欲する気持ちを
 ただどうすることもできずに抱え込む。





 逃げ出せど逃げ出せど
 そのヒトの風が吹く。




 執拗に背後からの風を受けて彼女は
 そろそろ風化して砕け散りそうだ。




 それ程感じてきたことのない疑問符だらけの自問自答。




 どうして?
 なぜ?
 どうして私はだめなの?
 なぜ彼女はよくて私はだめなの?






 そのヒトと居る事で全ての歯車が狂い出す。
 風はかまいたちの様に、草を撫でる涼風から
 彼女を切り刻む凶器へと変わる。 



 

 その突風は、やり過ごせない。
 それを分かって彼女は応える。
 

 ----ここへ向かって吹けば良い、と。

 
 その身を晒して、彼女は目印の長い髪をはためかす。





 風はそこへと吹き
 歯車の軋む音さえ掻き消して上昇気流へと変わる。

 その気流はやがて雨となって
 彼女の全てを押し流すだろう。





 そのヒトにとって彼女が何であるのか
 彼女は分かっているから応え続ける。
 軋む音には耳を塞いで。


 彼女にとってそのヒトが何であるのか
 彼女は分かっているから叫び続ける。
 軋む事など何も無かった。


 






 彼のヒトのその風が
 いつか彼女の風車を回しその動力を伝え

 或る女の壊れかけた歯車をただ、回し続けてくれることを
 彼女はただただ、待っている。



 琴線に触れ呼び覚ましてくれたことに
 聴こえぬ声で感謝と助けを叫び続けて。








 そんな或る女を
 私は知っている。





 ただそれだけの、とあるお話。


 

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